omusubi YUU
- 雄哉 横井
- 2024年12月22日
- 読了時間: 3分
杉山( 杉山博紀建築設計事務所 )と伊藤( kunur/// )と横井( i / r / h )で共同設計しました静岡県藤枝市岡部町の「omusubi YUU」の新店舗が竣工しました.
新店舗の開店は2025年2月を予定.
今後の予定は「omusubi YUU」のInstagramをチェックしてみてください!
↓ 「omusubi YUU 」Instagram
「omusubi YUU」に込めたコンセプトになります.
宿場町の記憶をつなぐ場としての「おにぎり店」
旧東海道沿いに位置し、宿場町としての歴史を今に伝える静岡県藤枝市岡部町。
その一角に、築60年の木造住宅を改修したおにぎり専門店が誕生した。
本プロジェクトは、地域の記憶を継承しながら、新たな形で食文化を通じた交流の場を創出することを目的としている。
「その場で“握る”」を体現する空間構成
コンセプトは、「お寿司のように、その場で“握って”提供するおにぎり」。
店内にはコンクリート製の大きなカウンターを据え、対面でおにぎりを握り提供するスタイルを採用した。
カウンターは外部に向かって延長されており、従来のテイクアウトにも対応。
この設計により、かつての店舗の雰囲気を継承しつつ、イートインスペースへの自然な動線を形成している。

対面席と縁側風ベンチの設え
カウンターには4席の対面席を設け、客と店主の直接的な交流を促す。
また、客席の背後には、縁側のような奥行きをもつベンチを配置。
ここではテイクアウト商品をその場で楽しむことができ、ふらりと立ち寄った地域の人々に
気軽な滞在の場を提供する。

地域景観との対話を図るファサードと内部空間
建物は旧東海道に面し、通り全体が宿場町の面影を色濃く残している。
この歴史的な街並みとの調和を図るため、ファサードは既存の骨格を残しつつ、
新しい店舗の表情を生む開口部を設計。内部は2階の天井を全て取り払い、一部の床を抜いて吹き抜けを設け、屋根組が露出する大胆な空間構成とした。
一方、カウンター席とベンチ席の上部には既存の小梁を残し、空間にさりげない境界を生み出している。これにより、適度な包まれ感を持たせ、食事への集中を促すと同時に、入口から奥までの通りは屋根組まで抜けるように小梁までとることで、奥への視覚的な広がりを強調する役割を持ち、また、カウンター席とベンチ席との境界をやんわりと作っている。

地域の記憶を未来につなぐ食文化の拠点
全体を通じて、「お寿司のようにその場で“握って”提供するおにぎり」というコンセプトのもと、宿場町としての歴史や岡部町の現在の街の雰囲気、そして店主がこれまで育んできた店舗の空気感を丁寧に受け継ぎながら、新たにおにぎりという食文化を通じて地域に貢献する場ができたと思う。


一緒に設計をしてきた先輩方も、どうぞよろしくお願いします.
↓ 杉山博紀建築設計事務所
↓kunur///
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